令和の若者はコミュニケーションが苦手?

2025年04月25日

#若者 #コミュニケーション #大学生

4月のきゃりトークは「コミュニケーションが苦手な大学生への支援」がテーマでした。この「コミュニケーションが苦手」な学生は、年々増加していると感じています。そんな学生にキャリアコンサルタント(CC)としてどのように向き合えばよいのかまとめてみました。

■令和時代の若者の特徴って

いつの時代も、新入社員のことを「今どきの若者は・・」と自分たちの新入社員時代と比べて愚痴ってしまうことはよくあることです。では、令和時代の大学生はどのような特徴があるのでしょうか。

正解を求めがち、他人と比較しがち、情報収集力はある、傷つきやすく落ち込みやすい、コミュニケーションが苦手・・・

もちろんそうでない学生もたくさんいらっしゃいますが、この「コミュニケーション」を苦手と考える大学生は年々増えているようです。

■その原因って

具体的な検証はしていませんが、その原因として想像できるのが「スマホの長時間の使用」と「行き過ぎたしつけ」なのではないかと、勉強会で話し合われました。

少なくとも、スマホを使用する年齢は毎年低下の一途をたどっています。
先日、レストランで4歳ぐらいの男の子が上手にスマホを操作し、好きな動画を視聴していました。朝食の時間だったのですが、お母さんはしきりと食べるように促すのですが、会話もせず食べもしない、瞬きもせずじっとスマホに釘付けでした。
スマホの使用時間は年々増加しており、少なくとも大学生のスマホの使用時間は1日4時間近くにのぼっています。

スマホを見ている間、会話はしない、自分の意見は言わない、考えない、一方的に情報を受けとめるにとどまるのが大きな原因のひとつなのかもしれません。

また、私たち親は子どもの将来のために「あれしてはいけません、これをしたらいけません」と注意を促すことはよくあります。ただそれが、親の一方的な価値観の押し付けになっているケースもあるようです。子どもに考えさせず、親や社会の常識の一方的な押し付けは、受け身でものごとを考えない、言われたことだけすればよいといった新たな価値観を植え付ける原因にもなっている可能性があります。

もちろん、他にも原因はあると思いますが、そんな学生のために私たちCCはどのように関わればよいのか、本日は小原講師にレクチャーをしていただきました。

小原講師のプロフィールやウェブサイトはこちら

■学生に共感するための3つの鍵

コミュニケーションが苦手な学生とはいえ、話を丁寧に聴いてみるととてもよくしゃべってくれる学生もたくさんいらっしゃいます。本来の自分らしさが表れると本人もなんだか自信をもって面接にも向き合えるご様子でした。そんな学生を増やすためにCCとしてどのように関わればよいのか3つのポイントにまとめてみました。

「語ってもらう」
まずはどんなことをしてきたのか、どんなことを感じたのか、どれぐらい頑張ったのか「経験」を話してもらいます。私たちCCがしっかりと傾聴することで、これまでの経験をしっかりと語っていただくことができます。語ることはカタルシスにもつながります。聴いてもらえたという満足感は学生に高揚感をもたらし自信にもつながります。

「褒める」
人はどんな小さなことでも褒められるととても嬉しいものです。褒めると聞いて、皆さんは相手の何をどのように褒めているでしょうか。「凄いね」「頑張ったね」だけではCCの評価にとどまります。
褒めるとは十分に語ってもらった後に初めて伝えるものであり、学生の「行動」やその「能力」を伝え返すことが効果的と小原講師は語ってくれました。

例えば、「これまで何度も面接にチャレンジしたんだね。よく頑張ったね。」(行動)
あるいは「面接に何度もチャレンジする粘り強さがAさんには備わってるんだね。凄いよ。」(能力)

学生の話を丁寧に聴けば、どこを褒めて欲しいのかおのずとみえてきますね。

「考えさせる」
最後は、学生に客観視してもらう問いかけです。私たちCCが褒めたとしても、学生自身がそう思わなければ表面的なやりとりで終わってしまいます。それだとCCの自己満足にとどまってしまい本当に共感しているとは言えません。

「これまで何度も面接にチャレンジしたんだね。そんな自分のこと、どんなふうに見える?」
「そうですね、意外と粘り強さがあるのかもしれません。」
「とてもいい気づきですね。その粘り強さがあれば、もう少し頑張れそうでしょうか。」

学生は、自分でも気づいていない能力を本当は持っています。決してコミュニケーションが苦手なのではなく、周囲の大人や私たちCCの意図的な関わりがあってこそ、その能力を引き出すことができるのではないでしょうか。
目の前のコミュニケーションが苦手な学生にも「その力がきっとあるはず!」と期待に胸を膨らませながら、耳を傾けてみましょう。