私がキャリアコンサルタントになった理由(前編)

「卒業後はどんな仕事に就きたかったのですか?」

本当は音楽関係の大学に行ってそういった仕事に就きたかったんです。大それたところで言うとアーティストですかね(笑) 当時はいろいろなところにデモテープを送ったりしていました。高校生の時、母校出身の有名なジャズアーティストが学校で演奏をしてくれたことがあったんですね。当時は音楽部でパーカッションを担当していましたので、バンドのパーカッショニストの人に電話をかけて「弟子にしてほしい」などと無謀な行動をとっていました(笑)

楽器店への就職も検討していたましたが、そのような求人もそのときはありませんでした。そのため、学校のすすめもあり、地元に帰って大手企業の支店で事務の仕事に就きました。

「ご結婚後はパソコンインストラクターになられていますが、どのようないきさつからでしょうか。」

仕事は一般事務職でした。嫌いではなかったです。パソコンを触ることも楽しかったですし。入社して1年過ぎた頃、パソコンインストラクターという仕事をする人が入ってこられたんです。いつも企業に行って、大勢の人の前でパソコンを教えていました。そのとき、「かっこいいなあ」って思いました。

外出して、ひとりで車を運転して、人前で堂々と話をしているAさんが、私にとってはとてもまぶしくて憧れていました。

「では、パソコンインストラクターの資格をそのころ取られた?」

いいえ、もっとずっと後です。結婚をして子供ができて、当時は子供ができたら退職するのが当たり前の時代でした。そこに疑問を持つこともなく、退職して子育てをしていましたね。夫は転勤のある仕事でしたので、そこも特に考えず、転勤について行っていました。

ただ、そうは言っても仕事を何もしないのは気が引けるというか、そんな気持ちでしたから、子育ての合間をみて、自宅でデータ入力の仕事をしていました。

鹿児島に引っ越してからは、子供も少し大きくなったので、週に1日程度働くようになりました。ある日、求人をみていると、パソコンインストラクターの求人が出ていたので、やったことはないのだけれど思い切って応募してみたんです。そうしたら運よく採用になりました。

周りはみんなパソコンインストラクターばかり。年齢も私より10歳以上も若かったですよ(笑)それでもいつかは「なりたい」と思って、頑張りました。マイクロソフトオフィシャルトレーナーの資格はめちゃくちゃ難しかったです。勉強時間も、朝、家族がまだ起きていない時間から勉強していました。とにかく時間がなくて、日々睡魔との戦いだったかもしれませんね(笑)


「インストラクターの資格を取得されてからはどうだったんですか?」

資格を取得した年はその資格のおかげでパソコン講師のお仕事ができました。しかし、また夫の転勤があって、今度は福岡に引っ越したんです。福岡はもっと仕事があるかと思いきや、officeを教えるよりもウェブやホームページの教える講師が当時は優遇されていました。ですので私の資格はあまり役に立たなくなったんですよ。そのため、また事務職に戻りました。ちょっと悲しかったですね~。


「じゃあ、ご主人の転勤についていくことで、転職を余儀なくされたんですね」

そうです。ただ、子供の学校の関係もあって、ついて行かない時期もありました。結局は、行く行かないは自分が決めていたのかなあと今になって思います。

福岡の次は横浜でした。不思議ですよね。横浜と聞くと「行ってみたい」と私は思ったんですよね。都会だし、東京にも近いし。子供たちも大学生だったので即決しました。

ただ、仕事はなかなか決まりませんでしたね。ちょうどリーマンショックのころでしたので、もちろん私だけではなかったんですけれどね。当時も事務職についていましたが、やはり人に何かを教えるという仕事が好きだったですね~。そのうち、職業訓練校でパソコンを教えるという仕事をするようになりました。

そのときに初めてキャリアコンサルタントの仕事をしている人に出会ったんです。


「お話をうかがうと、いろいろな人との出会いがある仕事がお好きなように感じるのですが・・」

言われてみるとそうですね(笑)こう見えて「人見知り」なんですよ(笑)どのように接したらいいかな、怖がらせないようにしなきゃな(笑)嫌われたくないなっていつも思っています。だから自分がいまキャリアコンサルタントの仕事をしていることは自分でもびっくりしています。


「中園さんのキャリアコンサルタントのイメージってどんな感じですか?」

はい、実はとても憧れている先生がいらっしゃって。養成講座のときの先生なんです。いつも大輪の花のような笑顔で、こんな私を受け入れてくれるんです。いつかは先生みたいになりたいって思って行動しています。なかなかなれませんが(笑)