■青臭い話?
主人公の也映子が酔っ払いながら理人にからむシーン・・・
「どうしてみんな、ゆずれないものとか、大事なものとか、目指すものとか、ちゃんとみつけられんの? 好きな人とか・・・そういうさ、入れ込めるものがみつけられないって一番きついよ。」
そんな也映子に対し、学生の理人が大人な発言。
「あのね、そんなのね、思っててもみんな口に出さずに生きてんですよ!入れ込めるものがみつからなくたって、いいんですよっ!それでっ!」
人はなにかをするのに、そこに"意味"を見出さずにはいれない生き物。自分にとって大事な"意味"がなければ、それはただ生きてる、ただ行動している、ただ息をしているということになる・・・のだろうか。
■ゆずれないもの
ゆずれないもの、何を差し置いても最優先しないといけないこと。とっさのときに一番に行動してしまうこと。気が付けばそのことにむきになっていること。
ゆずれないものは、とても大事なものであり、それがあることで面倒くさいこともたくさんあるけれど、それがあるから人生が自分らしく輝けるともいえる。
ゆずれないものは、その人にとってのこだわりといえるし、その人の価値観が反映しているともいえる。ゆずれないものがないということは、そういったこだわりがないということ。
こだわりがないことを也映子は悲観的にとらえているのが冒頭のセリフ。
別の見方をすれば、こだわりがないことはストレスが少ないともとらえられる。
でも、也映子にはそれが一番きついと感じるらしい。
■ゆずる
あなたにはゆずれないことってありますか?
最近の私は、そういたことにあまりこだわらなくなってきています。
こだわったからといって、その通りになるわけでもない。こだわればこだわるほど、生きるのが窮屈になる、そんな世の中。
ゆずれないをゆずるに変える
自分が周囲に合わせて、くらげのように時流にまかせる。
そんな人生のほうが、私にはとてもらくちんで気持ちが安定するように思うのですが、也映子はどう思っているんだろう。
バイオリンをしながら、就活をしながら、婚活もエンジョイする。日々毎日を楽しんで何がいけないの?自分の時間は自分のもの。自分が使いたいことに使っていいんです。
こだわりがないことも、ひとつの才能。どんな人生も楽しくできる今の時代で大切な強みかもしれませんね。