言い訳と理由【病院の治しかた ドクター有原の挑戦#6】

2020年03月09日

久々に、ドラマを観て感動したので書いてみました。キャリアコンサルタントが、クライエントに向き合う時のとても大切な姿勢を、このドラマで感じました。


■本当の理由は簡単に教えてくれない

 このドラマは、地域医療に密着した病院に立て直すドクターの奮戦記です。第6回は、リハビリに向き合わない患者Aさんに対して、どうにかしてリハビリしてもらおうと悩む看護師や周囲の人たちの関わりについて丁寧に描かれていました。

 そのなかでも、リハビリをやろうとしない患者Aさんに悩む担当看護師が、婦長に相談するシーンがとても印象的でした。

「私、担当代えてもらったほうがいいでしょうか。」

「あなたが担当変わっても、問題解決にはならないわよ。わがままを言ったりして、周囲を困らせる患者さんは、一番困っているの。Aさんがリハビリを拒む理由はなに?」

「リハビリ室が遠いとか、だるいとか、いろいろ・・・」

「それは理由じゃなくて言い訳。言葉のうわべだけを鵜呑みにしないで、もっと患者さんの気持ちを考えてみて。」


■理由と言い訳

キャリアコンサルタントのなかには、クライエントに共感しようとするあまり、クライエントの訴えを鵜呑みにして、話を進めてしまう場合があります。

例えば、「この会社、残業が多すぎてひどい会社なんです。ブラック企業ですよ。辞めようかどうしようかと思って相談に来ました。」

このとき、「残業」「ひどい」「ブラック企業」といったキーワードから、つい「なんてひどい会社なんだ~。そんな会社辞めたほうがいいよ。」と短絡的に物事を考えてしまいがちです。

確かにクライエントには、そうみえるのでしょう。しかし、私たちキャリアコンサルタントは、専門家としてクライエントを観察しなければなりません。そのためにも、クリティカルにクライエントを捉えていく必要があります。

「残業が多いってどれくらいですか?」

「ひどいってどういう風にひどいと感じるのですか?」

「どうしてブラック企業だと思うのでしょう。」

「そんなひどい会社なのに、辞めようかどうしようかと悩んでしまうのはどうしてなのでしょう。」

クライエントが訴えていることがただの言い訳なのか、本当の理由なのか。

本当の理由を言いたくないがために言い訳を重ねることってよくありませんか。
私たちキャリアコンサルタントは、人の感情の揺らぎを理解しながら、丁寧に寄り添い、傾聴することが大切。

あらためてそのことに気づかされた、とても印象的なシーンでした。


■動機づけの重要性

ドラマでは、リハビリを拒むAさんに対して、看護師が「しないと駄目ですよ。」と叱るようなシーンが出てきました。ついにAさんは「病院は儲けのことしか考えてないから、私にリハビリをさせて退院させたいんだわっ!」と言い、心を閉ざしてしまいます。

そんなAさんは、かつて社交ダンスをしていました。ある日、社交ダンスの仲間のBさんが、お見舞いに来て言いました。

「早く退院して、俺のお相手をしてくれよ~。」

Aさんは、その言葉を聴いて、以前のように華麗に社交ダンスをしている自分を想像し、やっとリハビリに取り組むようになったのです。

動機づけとは、その人に自分の未来を描いてもらうこと。

「こうなるといいなあ。」「そのために頑張れそうだなあ。」ということ。

私たちの生きる原動力は、未来を創造することなのかなあと感じた、素敵なドラマでした。