パワハラにならない!部下のパフォーマンスを高める「関わり力」研修

2018年11月29日

【関わり力】

最近、世間ではパワハラやセクハラ防止のための研修が増えています。

ある企業では、何度かパワハラ研修やアンガーマネジメント研修を担当させていただきました。そのため、先日は、さらにその一歩手前の、パワハラにならないための「関わり力」を身につけていただく研修を行いました。

■関わり力とはなにか

関わり力とはいったい何でしょうか。

簡単に言えば「コミュニケーション力」です。キャリアクレッシェンドでは、社内での上司と部下の関係をスムーズに行えるよう、関わり力―4つの力―をお伝えしています。

ところで、仕事を辞めたくなる理由の第一位ってなにかご存知でしょうか。

実は、「仕事の量が多すぎる、少なすぎる」や「仕事の質が低すぎる、高すぎる」を抜いて、「人間関係のお悩み」が第一位なのです。

せっかく就職できても、せっかくやりたい仕事に就くことができても、多くの人はその職場の人間関係でやめてしまうのです。なんだかやるせないですよね。

人間関係がうまくいかないと、人はそのうまくいかない相手を恨んだり憎んだりします。その怒りの感情はものすごいエネルギー。このエネルギーはひとたび方向を間違えると、とんでもない事件や事故に発展することもあります。ですから、日頃のコミュニケーションを円滑にする、関わり力を身につけ実践していくことが大切なのです。

■研修での実践訓練

今回の研修では、実際に上司と部下の役をお互いに演じてもらい、体感しながら学んでいきました。

ところで、そもそも研修は、開催する人と受ける人の意欲にものすごく差があります。

特に今回のような研修だと、参加する人は「俺はパワハラなんてしないよ」と思っている人ばかりです。ですから、アウェイな空気感のなかで研修は静かに始まりました。

最初はしぶしぶ参加の皆様でしたが、互いに役割を演じてもらうロールプレイをするうちに、だんだんと熱が入ってきます。不思議です。普段やったことのない役割をお願いしたのですが、皆さんそれはそれは上手に演じてくださいます。

ロールプレイは、少しの間でも上司や部下それぞれの立場を体感することができ、短時間で実感できる有効なトレーニングです。

■研修の限界

今回、2時間余りの研修に、皆さんとても積極的に参加していただきました。

最初は、「なんで俺が参加しなきゃならないの?」と疑っていた人も、最後は積極的に質問もしていただき、それぞれがそれぞれの立場で、これからどんなことを気を付けたらよいのか、理解していただけたような気がします。

とはいえ、研修でできることの限界はあります。

そのひとつに、「関わり力を身につけて部下に穏当に接しないといけないとわかっているが、私たちも聖人君主ではないから限界がある」というもの。

おっしゃることはごもっとも。教えている私ですら、それを全部できているわけではありません。

でも、考えてみてください。

コミュニケーションがすごくできている人が管理職になっているでしょうか。
上司は部下よりなんでも秀でていないといけないのでしょうか。
そんなことはないはずです。

上司や部下は仕事上の役割のひとつなのです。
だからこそ、お互いに助け合い支えあって問題を解決していく姿勢が大切なのです。
これが「関わり力」ということなのです。

上司だからちゃんとやらなきゃいけないと思わず、部下を信じる、部下を頼るということも大切です。そのためにもお互いを尊重しあう「関わり力」を身につけていただきたい。

そうすれば、パワハラにまで発展することはないのではないでしょうか。

みなさんはどう思われますか。